市民と議員の条例づくり交流会議とは
市民と議員の条例づくり交流会議 設立趣意書(2008年)

▼設立趣意書

 2000年の地方分権一括法によって、自治体は自身が担う地域の仕事の全てについて、地域のルール(条例)を自ら制定できるようになりました。その地に暮らす人びとに一番近い場所で、地域のルールを決めることこそ、自治の本旨にかなうことだ、という理念が制度として実現されたのです。市民の自治体へと向かう制度的な基礎条件が整ったのです。しかし、市民によるルールづくりが必ずしも活発になったわけではありません。そこで、各地で課題解決に取り組み、そのために条例づくりをめざす、市民や議員、自治体職員や研究者らが、知恵や経験を共有し、互いに学びあい提起しあうために交流する場として、私たちは2001年から「市民と議員の条例づくり交流会議」を開催してきました。年に1~2回の機会を作って開催されてきたこの会議には、延べで1000人を超える市民や議員、自治体職員や研究者らが参加し、活発な情報交換と、経験交流が行われてきました。2007年にはこの会議から「自治体議会改革フォーラム」が生まれ、市民と議員による政策づくりが実践できる議会をつくるための具体的な改革目標を実現していくための活動を展開してきました。

 そして7年、「市民と議員の条例づくり交流会議」の参加者の輪が大きくなるとともに一方で、まだまだ数少ない取り組みですが、各地で「議会基本条例」の制定や、それを中心にした議会改革に取り組み、二元代表制の自治体制度を、文字通り「市民自治体」づくりにつなげていくための取り組みを進める自治体が登場してきました。そのような活動を互いに共有し、実践の経験に学び合える機会が、年に1~2回の会議だけにとどまらず必要だ、日々交流しあえるネットワークが必要だという声が高まってきました。

 そこで、私たちは今日、「市民と議員の条例づくり交流会議」の役割がこれまで以上に重要となっていることを認識し、この7年間に築いた経験と共感の輪を礎に、「市民と議員の条例づくり交流会議」を継続的に活動する新たな組織として刷新し、活動の充実をはかりたいと思います。

 具体的には、以下の目的を掲げて、自治体の立法府である議会の改革や地域における実践の共有、幅広い議論と交流、さまざまな問題提起やネットワークの形成を図ります。これらの活動を通じて、「議会」という市民の代表が集う機関を通じて、市民が自ら、地域の課題を解決し、政策をつくりあげていく新しい市民自治の姿を発信してゆきます。そして、市民による自治のルールとなる条例づくりを活性化し、地域の自治、豊かな市民社会を実現していくことを目指します。

○市民が「議会」というチャンネルを通じて政策を提案・討議・実現できる、地域自治システムの構築を目指します
○「情報公開」「市民参加」「自由討議」の3つの点から開かれた議会改革を目指します
○市民と議員が互いに交流し、それぞれの活動を促進する場づくりを行います

2008年3月29日 設立総会参加者一同